魔法が存在する社会における「身分」

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▼魔法使い(マジックユーザー)と非魔法使いの身分差

その昔、「爆れつハンター」というラノベというかマンガというかアニメがありました。その世界観は冒頭こんな感じ。

> スプゥールナ大陸を長い戦乱の後に統一したファミル帝国では、一部の魔法を使える魔法使い―法族(ソーサラー)が特権階級として庶民(パーソナー)の支配権を与えられていた。

-Wikipediaより http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%88%86%E3%82%8C%E3%81%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC

魔法を扱える能力の有無が血統的・遺伝的なものである場合、普通に考えたら、魔法能力の有無が「社会階層」で済んでいるぶん、「爆れつハンター」の社会は、平和で良心的と言えるかもしれません。 我々の世界ですら、黒人奴隷たちにああも苛烈な隷属を強い、ユダヤ人たちをああも平然と殺戮することができたわけですから、それが「魔法」という先天的な可能行動・戦闘力の実体に基づく隷属支配となれば、魔法能力を持たない者たちを家畜と同等に取り扱うくらい平気でやれてしまいそうです。 人間に対する家畜(もしくはペット)と、魔法使いに対する非魔法使いとが、その関係性において差異があるとすれば、「言語による(詳細な)意思疎通が可能である」「通婚(子を生すこと)が可能である」といったあたりでしょうか。 「魔法」がどの程度強力なものなのか(魔法使いと非魔法使いの戦闘力にどれだけの差があるのか)、魔法使いと非魔法使いの人口比はどの程度か、と言った基礎的パラメータ次第で、その詳細な在り方の想定は違ったものになってくるでしょうが、我々の世界よりもよほど不平等な世界が出現することは間違いないでしょう。

魔法を扱う能力が後天的・学習的に得られるものである場合、普通に考えたら、社会の構成員は間違いなく、ほぼ全員その習得に向けた努力を行なうはずです。少なくとも、文明が「帝国主義」の時代を迎えることになった場合、国民国家は「一応総マジックユーザー」を目指した教育制度・国家運営を志向するに違いありません。この設定の場合は、我々の世界における「読み書き」が考証に際する出発点になりそうです。 基礎的パラメータは、「習得難易度」と「魔法の強さ」となりましょうか。 魔法教育があまねく民衆に至っていない社会では、かつての「読み書き」が「識字階級」と「非識字階級」を形成したように、「魔法階級」と「非魔法階級」が形成されていたでしょう。「魔法の強さ」が大きいほど、学習需要が伸びるために「魔法階級」が多くなり、「習得難易度」が高いほど「格差」が大きなものになるでしょう。習得難易度が高いと、低収入の非魔法階級は、魔法教育を受けさせるだけのコストを子弟に施すことが難しくなり、習得し得た人の希少性が増すことにもなりましょう。その辺りは、我々の世界における医者や弁護士が参考になるかと思います(そうすると、回復魔法がある世界に医者は存在するのか、という論点も出てきますが)。